気になるニュース

出所:内田氏

最後に気になったニュースを1つご紹介します。米国の国債発行について助言をする借り入れ諮問委員会が債務上限の撤廃を提言したというものです。

債務上限が財政規律を向上させるどころか、米国の信用格付けを損なっており、米国の準備資産という地位に影響しかねないとのことです。

確かに、2011年、債務上限問題で市場が大きく揺れたとき、S&Pは米国を格下げしました。また、債務上限が市場で取り沙汰される都度、基軸通貨としてのドルの信認に関する議論が生まれます。

債務上限があるが故に、かえってマーケットが混乱し、信認が揺らいできた面があるのです。

ただ、債務上限が撤廃された場合、米国の債務が際限なく拡大していく可能性が連想されます。それはいわゆる悪い金利上昇を引き起こすリスクもあり、その場合にドルは下がるといった4月に見られた動きが出てしまう危険性もゼロではありません。今後もフォローすべきニュースと考えられます。

 

―――――――――――――――――――――――――

「内田稔教授のマーケットトーク」はYouTubeからもご覧いただけます。

公式チャンネルと第29回公開分はこちらから