5月5日週の注目ポイントは現地時間6・7日に開催されるFOMCです。政策金利は据え置きでしょう。特に注目は日本時間8日午前3時半から始まるパウエル議長の記者会見です。パウエル議長は今まで利下げの再開は慎重に判断すべきと言っていました。
関税の結果、景気の下振れが生じた場合、雇用の悪化につながり、早めの利下げ再開が求められます。一方、関税によってインフレの加速も懸念されます。その場合は利下げどころではありませんから利下げ再開には慎重な姿勢が維持されることになります。これまでパウエル議長は両睨みしつつ、利下げ再開時期を慎重に判断するとしており、このスタンスはおそらく5月のFOMCでも変わらないと思います。
足もとではリスク回避色が和らぎ、リスク選好になっています。仮にパウエル議長が利下げのメッセージを出さなくとも5月5日週の株価は日米ともにある程度の底堅さを維持するでしょう。
為替についてもドルが持ち直す途上にありますから、145円の足場固めが見込まれ、146円台がみられる可能性もあると予想しています。
著者情報
内田稔
うちだみのり
高千穂大学 教授/FDAlco 外国為替アナリスト
1993年慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、東京銀行(現、三菱UFJ銀行)入行。マーケット業務を歴任し、2007年より外国為替のリサーチを担当。2011年4月からチーフアナリストとしてハウスビューの策定を統括。J-Money誌(旧ユーロマネー誌日本語版)の東京外国為替市場調査では、2013年より9年連続アナリスト個人ランキング部門第1位。2022年4月より高千穂大学に転じ、国際金融論や専門ゼミを担当。また、株式会社FDAlcoの為替アナリストとして為替市場の調査や分析といった実務を継続する傍らロイターコラム「外国為替フォーラム」、テレビ東京「ニュースモーニングサテライト」、News Picks等でも情報発信中。そのほか公益財団法人国際通貨研究所客員研究員、証券アナリストジャーナル編集委員会委員も兼任。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカルアナリスト協会認定アナリスト、国際公認投資アナリスト、日本金融学会会員、日本ファイナンス学会会員、経済学修士(京都産業大学)
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