まず今月のドル円の動きを簡単におさらいします。3月下旬から4月頭にかけては、150円大台を回復する場面がありました。しかし、その後は相互関税の影響もあり、株安、円高、特にドル安という動きが続きました。

出所:内田氏

ただ4月11日、米政権がスマートフォンは相互関税の対象から外すことを表明したと報道された結果、4月7日週から4月14日週の頭にかけてリスク回避姿勢はかなり和らぎ、4月14日週初には、144円台後半までドル高円安が進む場面もありました。ですが、赤澤亮正・経済再生大臣が米国を訪れ関税交渉に当たる際にトランプ大統領が同席するというヘッドラインを受け、「とんでもない為替の注文出てくるのではないか」という懸念から141円台まで円高が進行しました。ただ、為替の議論がなかったとの報道を受け、結果的には142円台に回復しています。

株式相場も緊張が和らぎ、日経平均株価、欧州株も全般的に4月7日週よりも約2~3%持ち直しています。一方で米国株はやや戻り売りに押されて4月7日週よりも少々マイナスになっています。

出所:内田氏

長期金利も見てみましょう。過去1ヶ月間のドル指数とアメリカの長期金利をまとめました。トリプル安となった4月7日週、米国では長期金の金利が上昇しています。一方、4月14日週は緊張が緩和し、米国債の買い戻しが進み、金利が下がったもののドルは横ばい圏で底堅さを維持しました。ただ、今後どう転じていくかはわからず、スマートフォンを相互関税の対象から外すという話題も一時の清涼剤的なものに過ぎなかったのかもしれません。