第26回のマーケットトークです。「マーケットを敵に回したトランプ」と題して4月7日週の話題についてお話したいと思います。

大きなテーマは市場を敵に回したトランプ大統領が今後どのようなツケを払うのかということです。4月7日週のマーケットの振り返り、米国のトリプル安、円が強くなくともドル安ならドル円が下がるなどの点について来週の注目ポイントを交えてお話しします。

まずはドル円相場です。過去1年間のドル円相場を図にまとめました。足元では※142円割れ目前まで下落し、いったん143円台に戻したあと、143円を少し割っている状況です。
※4月11日20時時点
昨年9月に139円58銭を付けましたが、その水準まであと2円と少しというところまで下がっています。この背景について、メディアでは円高だと報じられていますが実際にはドルの全面安です。

2022年以降のドル指数(青線)と米国長期金利(赤線)をまとめたグラフを見ていただくとお分かりの通り、基本的に米国の長期金利が上がるとドル高、その反対も、また然りでした。
ところが図の右端の4月7日週のデータを見ますと一時4%を割った長期金利が4.5%台まで瞬間的に急上昇し、足元でも4.3から4.4%程度まで上がっています。一方のドル指数は2022年4月以来3年ぶりのドル安水準となっています。金利の上昇は債券相場の値下がりですから、4月7日の週の米国は株安・債券安・ドル安のトリプル安に見舞われました。