<今さら聞けないギモン>
企業型確定拠出年金のラインナップを見ても、欲しい商品がありません。会社に伝えて希望の商品を入れてもらうことはできるのでしょうか?
企業型確定拠出年金とは従業員のための制度である
企業型確定拠出年金とは、企業が従業員のために提供する年金制度の1つです。従業員が退職後に安定した収入を得ることや、税制優遇措置の適用により従業員の負担を軽減することが目的とされています。
ひとことで企業型確定拠出年金といっても、会社が選んでいる運営管理機関※や会社の方針によって、従業員に用意されるラインナップは大きく異なります。
※確定拠出年金制度において運営や管理を担う専門機関のこと。運営管理業務を行うためには、厚生労働大臣および内閣総理大臣の登録が必須
また運用商品の設定は35本が上限であるため、従業員の中には希望する商品が見当たらない方も一定数いらっしゃるようです。その場合、購入を希望していた商品を参考にして、似たような構成比率になるように商品を組み合わせる方法が考えられます。
●前回記事:【オルカンを買うつもりが、企業型確定拠出年金のラインナップにない⁉ その時とれる対策は…】
ですが、方法はそれだけではありません。特定の商品への強い希望があるのであれば、会社に希望を伝えてみる、ということを検討してみるのも良いでしょう。
ラインナップに物申す! 効果的な方法はある?
企業型確定拠出年金に加入する会社(事業主)には、企業年金連合会から制度運用のためのガバナンスハンドブックが提示されています。このハンドブックでは、必要な場合は従業員の意見を制度運営に反映させることが不可欠であると説かれています。
<加入者とのコミュニケーション>
DBの場合は、制度運営が不適切であったとしても、その影響は一義的には事業主が負うことになります。それに対して企業型DCの場合には、制度運営の結果は加入者が負うことになります。したがって、制度運営に関連する情報を加入者等と共有化し、必要な場合は意見を制度運営に反映させることは、事業主の制度運営責任を果たすうえで不可欠な要素だと考えられます。
出所:企業型確定拠出年金ガバナンスハンドブック(企業年金連合会)
したがって、「この商品はラインナップに必要だ」と確信する商品があれば、どんどん会社に伝えていきましょう。その際、1人の意見として伝えるよりも、多くの従業員の声として届けた方が耳を傾けてもらいやすくなります。実現の可能性を高めるためにも、例えば労働組合などを通じて、同じような意見を集める方法などが特に効果的と言えます。