大和アセットマネジメントが提供する「iFreeETF FANG+」が1月10日、東京証券取引所に上場し、同取引所で記念セレモニーが行われた。
新NISAの追い風もあり残高を伸ばしてきた同社の既存公募投信「iFreeNEXT FANG+インデックス」のETF版にあたり、個人投資家の支持と資金をどこまで集められるかが注目される。セレモニーでは、同商品の上場がETF市場のさらなる活性化や制度改正への弾みになればと期待する声も上がった。
「iFreeETF FANG+」は、世界を代表する米テクノロジー企業10社(フェイスブック〈メタ〉、アマゾン、ネットフリックス、グーグル〈アルファベット〉、アップル、マイクロソフト、エヌビディア、クラウドストライク、サービスナウ、ブロードコム)を投資対象とする「NYSE FANG+指数」に連動する。上場に先立つ1月8日に新規設定された。
大和アセットはすでに、同じ指数を対象とした公募投信も手掛けている。2018年1月に設定した「iFreeNEXT FANG+インデックス」は、新NISAの対象商品に採用されていることもあり、純資産総額が4700億円超(セレモニー当日)に上る。
セレモニーでは大和アセットマネジメントの小松幹太代表取締役社長が登壇。ETF設定の狙いについて、「『FANG+』が投資対象とする企業の知名度が、指数の良好なパフォーマンスによりいっそう高まっており、(既存公募投信の)残高が増加していることからも、多くの投資家のニーズを満たすものと考え、このたびETFでの提供を始めることにしました」と説明。その上で「東証上場ETFとして提供することで、10銘柄をそれぞれ個別で投資するよりも少額かつ同時に投資でき、さらにリアルタイムで価格が見えるので積極的、機動的に取引できる」と述べ、メリットを強調した。
また、東京証券取引所の岩永守幸代表取締役社長も登壇し、「指数の対象企業であるアマゾンやアップル、グーグルは名前を知らない人がいないだけではなく、利用していない人がいないほどグローバルに普及したプラットフォームビジネスを展開しています。東証として、このように人気のある指数を対象とするETFを初めてお迎えをできたことで、公募投信にはないETFならではのメリットや利便性を実感いただけるチャンスが、投資家の方により多くもたらされると期待しています」と説明。「ETF市場の拡大と流動性の向上に努めてきましたが、今後もさらなる商品の多様化などを推し進めてまいります」と語った。
政府が24年12月末に閣議決定した税制改正大綱では、NISA対象のETFに関する要件を見直すことで、より多様な商品を提供できるよう制度整備する方向性が提示された。東証の岩永社長はこれを念頭に「税制改正で新NISAの対象となるETFも増加が期待されているので、このような魅力の高いETFの上場は意義深く、今後もこうした流れが続くことを祈念してやみません」と話した。