前回の本連載では、「オールカントリー」以外の選択肢として、2024年の新NISA元年に投資家の関心も高かった、インド株式と高配当・連続増配株式について取り上げた※。筆者は、両カテゴリーともに2025年も引き続き投資妙味があるとの認識でいるが、今回はまた少し違った視点から2025年のNISA投資戦略を考えていきたい。
※2024年12月公開『【新NISA2年目へ】「オールカントリーやS&P500だけ」はもったいない―これらの“弱点”を補完する「2つの投資先」』ご参照
大人気の米国株―関心はS&P500からナスダック100やFANG+にも拡大
2024年は、日米ともに政治イベントが多く、金融政策の行方にも気をもんだ1年となった。日経平均株価が過去最高値を更新したことで日本株にも一定の注目は集まったが、振り返ってみると、主役はやはり米国株であったと言えるだろう。
実際に、投資家からの人気も米国株に集中していた。2024年のNISA対象ファンドの売れ筋上位を確認すると、純流入額の上位10銘柄のうち、「HSBC インド・インフラ株式オープン」を除く、実に9本が米国または米国を含むグローバル株式に投資するタイプであった。
※楽天証券経済研究所作成。データは全て2024年末時点。
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9位の「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」は、ファンド名の通り、世界の半導体関連銘柄を主要投資対象としているが、エヌビディアを含む米国企業がポートフォリオ全体の約7割を占めており、実質的に米国株ファンドとみなしてよい。
特筆すべきは、7位に「iFreeNEXT FANG+インデックス」がランクインしたことだ。当ファンドは「グローバルな現代社会において人々の生活に大きな影響力を持ち、高い知名度を有する米国上場企業」を対象に構成された「NYSE FANG+指数」をベンチマークに掲げたインデックス型である。「FANG」とは、同指数の主要銘柄であるフェイスブック(メタ)、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグル(アルファベット)の頭文字をつないだもので、指数そのものは10銘柄の等金額投資(各銘柄10%程度)でポートフォリオが構成される。足元では、FANGの4銘柄に加えて、アップル、エヌビディア、マイクロソフト、ブロードコム、クラウドストライク、サービスナウの計10銘柄が組み入れられている。銘柄数を10まで厳選し、その構成銘柄も定期的に見直されることから、インデックス連動型ではあるが、限りなくアクティブに近い特性を持ったファンドと言える。
なお、上位10位までには入らなかったが、2024年は、ハイテク株が中心のナスダック100指数への連動を目指すインデックスファンドも人気を集めた。
旧つみたてNISAの時代には既にS&P500のインデックスファンドが積立の定番商品となっていたことを考えると、米国株投資に慣れてきた投資家の関心が、次第にナスダック100やFANG+に向くのは自然な流れと言えるかもしれない。