今後の注目点! 米国の景気動向が利下げ判断を左右する
そして、米国の景気ですが、例えば労働市場を見ますと、これは失業者の何倍求人件数があるかを示しています。
この表には説明が出ていないのですが、求人件数が失業者の何倍あるかという倍率を示しています。これを見ると、ピーク時の2倍から、今大体1倍近辺まで下がってきています。これはコロナ前の水準がだいたい1.2倍ですので、それよりも少し下がってきています。インフレは確かに心配なのですが、やはり労働市場の景気も少し警戒して見ておく必要はあると思います。2025年は本当に利下げが1回で済むのかというと、2回ぐらいはあってもおかしくないと思いますので、やはりここからのポイントは、米国の景気は非常に重要になってくると思います。
その上で、米国の景気を補足する経済指標ですが、これもこのマーケットトークで一度ご紹介したことがあります。週次で米国の経済状況、景気を補足するのに適しているウィークリーエコノミックインデックスという指標です。これは左下に書いていますが、ダラス連銀が出していますから、ダラスFED WEIと検索するとすぐに出てきます。これを見ると、今のところ米国経済は底堅く推移していますので、急速な失速するというところまで心配する必要はないと思いますが、ただ、本当に利下げがあと1回あるかないかという程度だとすると、米国景気にもやはり少し目配せはしておく必要があるのではないでしょうか。
「内田稔教授のマーケットトーク」はYouTubeからもご覧いただけます。