総合デベロッパー、売上は業界トップクラス 築地の開発予定者に選定
三井不動産は総合デベロッパーの大手です。デベロッパーとは一般に、物件の開発を自ら行う事業者を指します。特に三井不動産は規模が大きく、売り上げは業界で最大級です。
【主な総合デベロッパーの売り上げ(2024年3月期)】
・三井不動産:2兆3833億円
・三菱地所:1兆5047億円
・東急不動産:1兆1030億円
※三菱地所は営業収益、その他は売上高
出所:各社の決算短信
三井不動産は都心の再開発の多くに携わっています。2024年4月には東京都の「築地まちづくり」の事業予定者に選定されました。築地市場の跡地を開発するもので、総事業費は約9000億円と見積もられています。事業予定者は11社(のちに10社へ変更)の企業団ですが、三井不動産はその代表を務めます。
ここで三井不動産の事業を整理しておきましょう。セグメントは「賃貸事業」「分譲事業」「マネジメント事業」「施設営業事業」「その他事業」の5つです。不動産にまつわる多様なビジネスを展開しています。
主力は賃貸事業と分譲事業です。賃貸事業はオフィスや商業施設などの貸し出し、分譲事業は戸建てやマンションなどの販売です。分譲マンションは「パークタワー」や「パークシティ」などのブランドで展開しています。賃貸事業と分譲事業は海外の収益も含まれます。
マネジメント事業は不動産の管理や資産運用などです。資産運用にはREIT(不動産投資信託)も含まれており、「日本ビルファンド投資法人」を筆頭に4本を運用しています。
施設営業事業はホテルやスタジアムの営業などです。三井ガーデンホテルズや帝国ホテル、ハワイのリゾート施設、東京ドームシティなどを運営しています。なお、帝国ホテルは持分法適用関連会社です。
その他事業は新築請負やリフォームなどです。子会社を通じて建築やリフォーム工事を請け負っています。またゴルフ場事業や花き・種苗・園芸用品などの小売り、送配電・熱供給事業などもその他事業に含まれます。
【三井不動産のセグメント業績(2024年3月期)】