直近3年での住居形態は?

また、住居形態選択の傾向を把握するために、年代別で過去3年以内にどのように住居形態が変わったのか、または変わらなかったのかを調査しました【図表3】。すると、若年層ほど住み替え比率が高く、特に20歳代ではおよそ2人に1人が過去3年以内に住み替えを行っており、その住み替え先はほとんど「賃貸」であることがわかります。一方で、住み替え比率は年代が上がるにつれて減少していき、50・60歳代の住み替えはおよそ5人に1人となり、大半の方の住まいは過去から現在にかけて変わっていないという結果になりました。

このことからも、住居形態の変化は若年層ほど発生頻度が高く、年代が上がるにつれて現在の住居形態が変わる可能性が少なくなっていることがわかります。

【図表3】直近3年以内の住居形態

 

*回答者:現在の住まい「持ち家(自己所有)」・「賃貸」
*過去の「持ち家」については、自己所有のみに限らない *5.0%未満はグラフ内表記省略

持ち家の購入理由は?

年代が上がるにつれて持ち家比率は増加傾向にありますが、ではその持ち家を取得する理由はどういったものなのでしょうか。現在自己所有の持ち家に居住中の方に、住宅購入の理由を、「直近3年以内に賃貸から持ち家へライフステージが変化したグループ」、「既に持ち家に居住中で、さらに別の持ち家へ住み替えを行ったグループ」、「3年以上前から同じ持ち家に居住しているグループ」に分けて分析をしてみました。

結果としては、どのグループも「自己所有となる点」が最大の理由となっている点は同様ですが、直近3年以内に持ち家を取得した2つのグループでも、「賃貸→持ち家」のグループは「賃貸コストに関する理由」が最大(41.4%)、「持ち家→別の持ち家」のグループでは「夢のため」が最大(32.3%)と、住宅購入時の状況によって最も重視する部分が異なることがわかりました。

初めて持ち家を取得した方は、将来的に賃貸としてキャッシュアウトするコストを意識し、2回目以降の持ち家を取得した方は「より良い住まい」を求める傾向にあることが推察されます。

【図表4】住宅購入理由(上位10項目/複数回答可)

*回答者:持ち家購入者

ここまで、賃貸と持ち家の選択状況やその理由についてみてきましたが、次回コラムではそれぞれの住居形態によって生活満足度がどうなっているのか、探っていけたらと思います。

●賃貸と持ち家、それぞれの居住形態では住む人の生活満足度にどのような違いがあるのでしょうか。次回記事【賃貸vs持ち家】結局、生活の満足度が高いのはどっち? 年代別でも異なるその答えは…にて詳説します。