昨今のAIの技術革新は目覚ましく、金融市場では「AI(人工知能)革命」と呼ばれ始めています。その言葉を体現するように、株式市場ではAI関連銘柄が株価を大きく持ち上げています。「革命なんて大げさでは?」という声もありますが、18世紀に英国で始まった産業革命に匹敵する、との見方もあるようです。
多くの場面で利便性や生産性の飛躍的向上が期待される「AI」、しかし、その恩恵を受けるのは…?
AIの技術革新は、2023年ごろから普及し始めた生成AIにより、それまでのAIとは異次元の高性能を実現しました。大規模言語モデルの開発により、AIが人間の脳に近い機能を持つようになったのです。
AIは表面的にはチャットボットのようなアプリの中で稼働します。しかし、その背後には、AIを動かすための5層構造の巨大な産業インフラがあります。第一層は再生可能エネルギーを含む発電、送配電網です。AIは電力消費量が多いため、米国で電力不足から発電所の建設ブームが起きています。第二層はAI専用の最先端の半導体です。製造できる企業は世界の中でも日本を含むごくわずかな国にだけ存在します。第三層はデータセンターです。日本からスマホやPCでAIを利用すると、多くのケースで信号が海底ケーブルを通って米国のデータセンターに接続してAIが稼働します。第四層は大規模言語モデルです。そして第五層がやっと利用者が触れるアプリです。
AIは汎用技術とされています。これは技術史において、産業の基礎となる技術を意味します。汎用技術は特殊技術と組み合わさることで、具体的な商品となります。単純化すると、蒸気機関という汎用技術は船舶技術と組み合わさって蒸気船に、電気という汎用技術は電球やソケットと組み合わさって電灯に、という具合です。
AIはアプリと組み合わさることで具体的な商品になります。アプリは、人間の細胞や生活、企業活動、国家運営、宇宙開発などあらゆる場面で生じるデータから現状を分析して将来を予測する機能を持ちます。この機能を高度化させれば、データ発生源の多くの面で、利便性や生産性が飛躍的に高まると期待されています。これこそが、AIが単なる便利な商品ではなく、社会変革をもたらすAI革命とも評される理由です。
AIの開発は、日本、米国、台湾、韓国などごく一部の国の経済に多大な好影響をもたらします。これが原因で世界の中で株価が大きく上がっているのは、これらごく一部の国に限られています。
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