前回のコラムでは、賃貸・持ち家それぞれの住居形態を「生活満足度」の切り口から分析しました。調査結果からは年代が上がるにつれて、賃貸派の生活満足度は低下し、持ち家派の生活満足度が向上するといった特徴がみられました。果たして住居形態だけで生活満足度は決まってしまうのでしょうか?
全3回のうち最後となる今回のコラムでは、「住居形態以外」で生活満足度に影響を与える要素について、解説していきたいと思います。
●参考記事:【賃貸vs持ち家】結局、生活の満足度が高いのはどっち? 年代別でも異なるその答えは…
大きな影響力を持つライフプランの策定率
賃貸・持ち家に関わらず「住まいの選択」は、その後の生活に大きな影響を与えることになります。そういった選択の前にこそ、自身のライフプラン策定が大切です。「ライフプランを立てているか否か」を軸に生活満足度を分析したのが【図表1】です。賃貸派・持ち家派に加え、ライフプランを立てている・立てていないグループに分けて生活満足度をみると、いずれの住居形態であっても、「ライフプランを立てている人」は生活満足度が高く、逆に「ライフプランを立てていない人」はその値が大きく劣後していることがわかりました。
この結果から「ライフプランを立てているか否か」は「どのような住まいを選択するか」よりも、生活満足度に対して大きな影響力を持つことが推察できます。
【図表1】ライフプラン策定別の生活満足度
*ライフプランを立てている度合い:「立てている」・「ある程度立てている」→立てている計、「あまり立てていない」・「立てていない」→立てていない計、「どちらともいえない」回答除く
(出所)特に出所を示していない場合、三井住友トラスト・資産のミライ研究所「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」(224年)よりミライ研作成