約8割が「税金が負担」と感じる現状も

最後に生前贈与の認知度についても見ておこう。同アンケートでは「生前寄付・遺贈寄付を知っていますか?」と質問。結果は次のとおり。

出所:社会福祉法人 日本介助犬福祉協会「『生前贈与や遺贈寄付の贈与先/寄付先』と『補助犬への支援』に関する調査」

「知っている」と答えた人は約7割(65.6%)。アンケートに答えた人の大半が生前贈与について知っているようだ。

さらに同アンケートでは、「どのような経緯で知りましたか?(複数選択可)」という質問も。インターネット全盛時代ではあるものの、1位は「テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などのメディアから」(55.6%)という意外な結果に。

生前贈与を考える世代は、主に高齢者層であると推測される。若年層と比べると、テレビや新聞といったマスメディアを日常的に利用することが多い年代層ともいわれる。そのため約6割という数字につながったのだろう。

そして2位は「WebサイトやSNSなどインターネット上から」(37.5%)、3位は「家族から」(21.5%)という結果になった。

7割近くの人が認知し、2024年の税制改正により、相続時精算課税制度に「年間110万円までの贈与なら非課税」という基礎控除が新たに設けられ、注目されている生前贈与。ただし110万円を超えれば当然、贈与税がかかる。同アンケートで「生前贈与を検討するにあたって税金を負担に感じますか?」と質問したところ、約8割(80.3%)が「はい」と回答していた。

負担するのは「贈与された側」ではあるものの、結果として引き継げる財産は目減りすることに。相続や贈与の制度は複雑で、「こうすれば得になる」という話を聞いて実践しても、かえって損する可能性もゼロではない。

生前贈与を行うなら、制度に関する知識を深めることが大前提。その上で計画的かつ戦略的な贈与を心がけ、資産の有効活用を実現したいものだ。

《調査概要》 「生前贈与や遺贈寄付の贈与先/寄付先」と「補助犬への支援」に関する調査      調査期間:2024年10月29日(火)~2024年10月30日(水) 調査対象:調査回答時に遺贈寄付・生前贈与・生前寄付を既にしている/検討している40代以上の男女と回答したモニター