新ビジネス「都市型データセンター事業」を発表 10年で1000億円を投資

大林組は中期経営計画の1つに事業ポートフォリオの拡充を挙げています。建設事業を中核としながらも、新たな収益機会を獲得し持続的な成長を目指す戦略です。その一環で大林組は2024年11月、都市型データセンター事業に参入すると発表しました。

大林組の都市型データセンター事業は、既存ビルの改修または建て替えを通じてデータセンターを開発し、その運営まで担う構想です。需要地に近い都市部に設けることで、高い処理速度が要求される分野でのニーズが期待されるとしています。

まずは第一弾として東京都港区にデータセンターを構築します。開設は2028年度の予定です。第二弾の用地も確保しており、投資額は10年間で1000億円を見込みます。同時に他社データセンターも含め複数の拠点を相互接続し、2031年度までに受電容量40メガワット級のデータセンター群を構築する計画です。

近年、国内では大規模なデータセンターの開発が相次いでいます。例えばソフトバンクは、苫小牧市(北海道)で2026年度に50メガワット級での開業を目指しています(将来的に300メガワット超まで拡張予定)。また香港の不動産投資会社ESRグループは2024年8月、大阪市(大阪府)で25メガワット級のデータセンターを竣工しました(将来的に130メガワットまで拡張予定)。

データセンターの需要は生成AIの普及や大企業のDX余地などから高まっています。大林組もデータセンター事業に参入し、収益の多角化を目指します。

文/若山卓也(わかやまFPサービス)