20代はほかの世代より「ボーナスがあった人」が多い

そもそも臨時収入自体があるのかどうかも気になりますよね。

※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2023年」(※金融資産保有世帯、実数308)

臨時収入等がなかった    33.8%
臨時収入等があった    66.2%

「臨時収入等があった」単身者は約66%と実に3人に2人の割合でした。この結果は、「臨時収入等があった人」が約44%、「なかった人」が約56%という、単身者の全世代平均とは逆となりました。20代単身者は臨時収入があった人の方がなかった人より多く、これは世代的な特徴といえそうです。

というのは、二人以上世帯でも同じ傾向にあるからです。「臨時収入等があった」との二人以上世帯は何と7割にも上りました。全世代平均では約55%でしたので、20代の二人以上世帯は15ポイントも上回っています。

20代で臨時収入等があった人が多いのは、景気動向に加え企業の人材確保という理由もありそうです。昨今の人手不足から新卒給与の引き上げなどが各企業で実施されており、ボーナスの支給で若手社員の定着を図る狙いもあるのではないでしょうか。

※金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2023年」(※金融資産保有世帯、実数108)

臨時収入等がなかった    29.6%
臨時収入等があった    70.4%

ボーナスは貯蓄した? 結果は二極化

では臨時収入があった20代の人は、どのくらい臨時収入から貯蓄をしたのでしょうか。

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2023年」(※金融資産保有世帯、実数308)

1位    貯蓄しなかった    23.7%
2位    60%以上    17.9%
3位    50~60%未満    9.1%
4位    10~20%未満    5.8%

結果は、単身者では「貯蓄しなかった」という回答が最も多く4人に1人の割合でした。逆に言えば4人に3人は貯蓄したということです。中でも「60%以上」貯蓄した人が約2割、「50~60%未満」も約1割と、「臨時収入は貯蓄に回す」という堅実な傾向が表れています。では二人以上世帯ではどうでしょうか。

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査2023年」(※金融資産保有世帯、実数108)

1位    貯蓄しなかった    26.9%
2位    60%以上    13.0%
3位    10%未満    10.2%
4位    10~20%未満    7.4%
4位    50~60%未満    7.4%

二人以上世帯でも「貯蓄しなかった人」がトップ回答で、約27%でした。2位も「60%以上」が13%と、単身者と同じ順位でしたが、以下は「10%未満」約1割、「10~20%未満」約7%と、単身者と比べて貯蓄割合は低い傾向にあります。

20代、比較し過ぎず幸せに生きよう

20代は働き始めたばかりの人が多く、年収も今後、上がっていくことが見込まれます。ボーナスが支給された人も多く、できれば今のうちから少額ずつでも貯蓄に励み、さらにその一部を資産運用に振り向けていくと将来への備えにもなるでしょう。

周りの状況を知ることも大切ですが、振り回される必要はありません。目標や価値観をしっかりと持ちつつ前に進むことが、幸せに生きることにつながるのではないでしょうか。

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<調査概要> 調査名/「家計の金融行動に関する世論調査2023年」(金融広報中央委員会) 調査時期/令和5年6月23日~7月5日 調査対象/単身世帯:全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、二人以上世帯:全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)、総世帯:令和3年調査より二人以上世帯、単身世帯の調査方法が同一となったことから、両調査の計数を合算する形で作成を開始した参考計表 調査方式/インターネットモニター調査