2年でネットキャッシュ半減へ まずは自社株買いで6000億円 

2024年3月期の決算公表では、資本政策への言及もありました。M&Aと株主還元を通じ、1兆1350億円まで積み上がったネットキャッシュを2年で6000億円程度まで減らすとしています。 

リクルートHDは、そもそも自社のビジネスで潤沢なキャッシュが毎年生じます。営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足し合わせた簡易的なフリーキャッシュフローは足元で4000億円を超えます。これを消化しつつネットキャッシュを減少させる場合、大規模な投資が想定されることとなります。

リクルートHDは、まず自社株買いの強化に取り組みます。リクルートHDは2024年7月、6000億円を上限とする自社株買いを発表しました。発行済株式数の5.67%にあたり、前回(2000億円、2.83%)より大幅に引き上げて対応します。6000億円の自社株買いは過去最大とみられています。

M&Aがない場合、翌期も大型の株主還元が見込まれます。投資家に評価されれば、リクルートHDの株価は堅調に推移するかもしれません。

なお、配当性向の引き上げは証券会社向けの説明会において否定的な見解を示しています。株主還元は自社株買いが中心となると予想されます。

文/若山卓也(わかやまFPサービス)