義妹一家へ抱く複雑な思い

夫には3歳下の妹がいます。開業医と結婚し、わが家から車で30分ほどのマンションに住んでいます。義妹夫婦には息子と同い年の怜花ちゃんという娘がいるのですが、子供の頃からずばぬけて優秀で、今は義弟の跡継ぎを目指し名門大学の医学部に通っています。

息子も今春有名私大の経済学部に入学しましたが、昔から何かというと怜花ちゃんと比較され、それがトラウマになっているようです。特に義母は怜花ちゃんを溺愛し、知人や親戚にも「怜花は自慢の孫娘」とアピールしてきました。以前、わが家を訪れた義母の友人が外出しようとしていた息子を見かけ、「あら、男の子のお孫さんもいたのね」と驚いたくらいです。

義妹も私と同じ専業主婦ですが、義母は義父の世話や雑用など一切合切を私にばかり押し付けてきます。近くにいるので頼みやすいということもあるのでしょうが、恐らくは、実家が小さな酒店で地方の短大卒の私を見下しているのだと思います。あるいは、息子が怜花ちゃんほど優秀でないのは、私の遺伝子や教育方法に問題があると考えているのかもしれません。

片付け中に知った義母の驚くべき秘密

そんな義母の驚くべき秘密を知ってしまったのは数カ月前のことでした。外出中の義母から電話があり、「1時間ほど後に友達を連れて帰るから、うちのリビングを片付けておいてくれない?」と頼まれたのです。預かっていた鍵で義両親の家に入ると、リビングに隣接した義母の居室(和室)の襖(ふすま)が開いていました。外出する際に慌てて締め忘れたのでしょう。

ふと目に留まったのが、義母が手紙や書をしたためる文台の上に置かれた和紙のノートでした。手に取って中を開くと、そこにはなんと、義母が義妹に渡したと思われるお金の細目と金額、渡した日付が書いてありました。

怜花ちゃんの学費や塾の費用に加え、義弟の医院の医療機器の購入も援助していたらしく、金額はこの10年ほどで数千万円に上っていました。それを見て、思わず脱力したというか、体中の力が抜けていくのを感じました。

義母は息子にもお年玉や入学祝いを欠かしたことがありませんが、あくまで常識的な金額の範囲内です。義妹や怜花ちゃんをかわいがっているのは分かっていましたが、まさかこんなことまでしていたとは思いませんでした。

義両親は不動産も含めた財産を夫と義妹が半分ずつ分けるように遺言書を用意しているようです。遺言書通りの相続が行われるとすれば、トータルで義妹の取り分が多くなるのは自明の理です。義母にいいようにこき使われている自分が情けなくなりました。