日本では高齢化が進み、相続の数も増えてきました。資産家以外は縁がないと思われている相続税も、実は亡くなった方の10人に1人が、申告が必要になっています。こうした中で、相続士や相続診断士、遺言執行士、相続カウンセラー、終活カウンセラー、相続アドバイザーなど、相続回りの民間資格も増えています。

窪川涼子さん(仮名)が出会った専門家は相続診断士。相続の分野の知識を持ち、相続で悩む人をサポートする資格です。同居する義両親が義妹一家ばかりかわいがっていると感じていた窪川さんは、ある日、義母の部屋で義妹一家への資金贈与のメモを見つけてあぜんとします。

もやもやとした気持ちで相談を持ち掛けた窪川さんに、専門家は「まるで予言者のように先を見通した冷静な助言をしてくれた」と言います。「あのタイミングでお会いできて本当にラッキーだった」と振り返る窪川さんに、専門家との詳しい経緯を聞きました。

〈窪川涼子さんプロフィール〉

東京都在住
46歳
女性
専業主婦
夫と大学生の長男と3人暮らし
金融資産3700万円(世帯)

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専業主婦の私は、夫と大学生の息子と義両親が建てた二世帯住宅に暮らしています。義理の父は以前会社を経営していて、具体額は知りませんが、それなりの資産があるようです。ただ、義父は2年ほど前から体調を崩して入退院を繰り返し、今は医療設備の整った高齢者施設に入居しています。