コツは「覚えやすいタイミング」と「3年ごと」

では、相場が大きく動いた時に適宜リバランスを行うべきかというと、必ずしもそういうわけではない。第一に、プロの投資家の世界では、相場転換のシグナルの検知など厳密なルールを決めた上でリバランスを実施するが、個人の資産形成でこれを実践するのは極めて困難である。さらに、リバランスというのは、あまり小刻みに行っても効果を得にくい。

ひとまず、現在含み益が出ている投資信託を売却し、いったんリバランスを終えたら、以降は、毎年決まった日にリバランスを検討しても良いだろう。年初や年度初めのほか、誕生日など、覚えやすい記念日でもよい。例えば、誕生日に保有する投資信託を確認し、20%程度の利益が出ているファンドがあったら、その利益相当分を解約(売却)して比率の低下したファンドを買い増す、といったイメージだ。

とはいえ、リバランスは毎年必ず行わなければいけないというものでもない。特に長期目線で資産形成を行っている場合は、ファンドの確認は年1回、実際にリバランスを行うのは3年に1回程度でも十分である。実際にリバランスを行うかどうかは別として、ひとまず覚えやすい日を「確認日」として設定しておくとよいだろう。