ポートフォリオを作るなら追加購入は「米国株以外」で
では、売却後の投資先はどのように選べばよいのか。
リバランスをする際に重要になるのが、「相対的に割安感がある」、または、「(価格が)戻り切っていない」資産や地域へ目を向けることだ。言い換えると、「人気が出過ぎていない」資産である。例えば、同じ株式でも、新興国株式は米国株と比べるとまだ割安感があるため、米国株の含み益相当分を売却し、その分だけ新興国株式を購入すれば、ポートフォリオの原型を作ることができる。昨今人気が高まっているインド株などでも良いだろう。
また、上昇している資産と相関の低い資産に着目しても良い。例えば、金(ゴールド)は一般的に株式(とりわけ米国株式)と逆の値動きをする傾向にある。相場全体が「リスクオン」の状態となり、株式市場が好況に沸くと、金の値動きは比較的穏やかになる。金という資産はあくまでも分散投資の1パーツとして保有することが望ましいので、値動きが少し落ち着いたタイミングで取り入れることをおすすめしたい。
ポートフォリオを作る上でより重要なのは、追加的なリターンを狙うことではなく、相場急変時に大きなダメージを受けないための「リスク管理」である。
「ポートフォリオの作り方」もまた質問が多い分野だが、最初から無理に複数の資産や投資信託を組み合わせようとしなくても、こうしてリバランスを行い、保有資産全体のリスクを少しずつ調整していけば、無理なくポートフォリオを作ることができる。