理由①過去のパフォーマンス良好―設定来で2.6倍
オルカンが人気な理由の一つ目は、良好な成績を残してきたことでしょう。
オルカンは2018年10月末に設定されました。基準価額はおおむね順調に上昇しており、設定来リターンは164%に達しています(2024年6月末時点)。1年あたりリターンに直すと18.6%にもなります。
高い運用成績を残せた背景には、相場環境に恵まれたことがあります。
オルカンが設定された2018年は、米中摩擦などから株式は軟調でした。しかし年後半に運用を開始したオルカンは難を逃れています。
2020年はコロナショックが起こりました。しかし主要国が利下げに踏み切ったことから、株価はむしろ上昇します。反対に金利が上昇した2022年から現在(2024年7月)までは、株価が下落する展開も見られました。しかし同時に円安も起こったため、円ベースのオルカンは堅調に推移しています。
【全世界株価指数の年間リターン(2018年~2023年)】
・2018年:▲11.30%
・2019年:+26.09%
・2020年:+10.99%
・2021年:+32.77%
・2022年:▲6.00%
・2023年:+31.22%
※全世界株価指数:MSCI ACWI index(円建て、グロス)
出所:MSCI ファクトシート
これらの情報は将来の運用成果等を保証しているわけではありませんが、過去に良好な実績を残してきたことは、オルカンへの資金流入の一因として働いていると考えられます。
理由②:運用コストの低さ―信託報酬0.05%台
オルカンが人気な理由の二つ目は、低い運用コストです。
オルカンの信託報酬(投資信託の手数料)は年0.05775%以内です。オルカンが属するグローバル株式型ファンドの単純平均は1.41%(183本)、旧つみたてNISA対象ファンドに限定しても平均0.25%(19本)ですから、オルカンの信託報酬は平均を大きく下回っているといえます(グローバル株式型ファンドの信託報酬の単純平均の出所:金融庁 「国内運用会社の運用パフォーマンスを示す代表的な指標(KPI)の測定と国内公募投信についての諸論点に関する分析」の公表について)。
信託報酬は、運用の対価として投資信託の資産から支払われます。信託報酬が低いほど、運用の利益は投資信託に残りやすくなります。したがって、信託報酬は基本的に低いほど投資家に有利に働く傾向にあります。
これらのことからオルカンの低い信託報酬は、投資家に選ばれる理由になっているといえるでしょう。