理由③:理解しやすいシンプルな運用方針

オルカンが人気な理由の三つ目は、運用方針のわかりやすさです。

オルカンの運用方針は、全世界の株式に投資するというシンプルなものです。投資地域は限定しません。

特定の地域に投資する投資信託を購入する場合、投資家はその地域がその他の地域より優れる理由を求めます。これは投資家として望ましい行動ですが、購入時のハードルになるとも考えられます。慎重な検討の末、購入する人もいれば、ためらう人も出るはずだからです。

オルカンなら、上述したようなハードルは小さいと考えられます。特定の地域の企業の成長を疑う人より、全世界の企業の成長を疑う人は少ないでしょう。なお、IMFは世界の名目GDPが2029年までおおむね4~5%で推移する見通しを発表しています。

出所:IMF 世界経済見通しデータベース(2024年4月)より著者作成(※上記の2024年以降のデータは予測値です。正確性、完全性を保証するものではありません)

自身のリスク許容度に合わせた選択を

これまで解説してきたとおりオルカンの人気は、過去の良好な運用成績、低い運用コスト、わかりやすい運用方針が支えていると考えられます。オルカンが多くの資金を集めるのは偶然ではないでしょう。

とはいえ、オルカンだけに投資すれば安心というわけではありません。株式だけに投資するオルカンは、債券型ファンドなどと比べればリスクの高い銘柄です。下落局面での値下がりは債券型ファンドよりも大きくなることが想定されます。

ご自身のリスク許容度に合わせて、オルカンだけでなく別の銘柄も組み合わせることも一案です。