現実的な収入と堅実な貯蓄意識
まず、Z世代の現在の月収を見てみると、「20万円以上30万円未満」が42.92%と最も多く、まさに現在の日本社会における平均的な収入層と言えるだろう。それに続くのが「20万円未満」の31.67%であり、決して裕福とはいえない現状が浮き彫りになった。
興味深いのは、その収入状況下における貯蓄に対する意識だ。収入の10%未満を貯蓄に回している人が最も多い結果となり、堅実な金銭感覚を持つZ世代の一面が垣間見える。
具体的な貯蓄額を見てみると、「100万円以上500万円未満」と回答した人が25.00%と最も多く、次いで「100万円未満」が22.92%という結果に。貯蓄ゼロと回答した人も17.08%存在するものの、約4人に3人が貯蓄をしているという結果となった。
貯蓄の目的としては、「将来の大きな買い物(家、車など)のため」が43.33%と最も多く、次いで「緊急時のため」が40.00%と続いた。将来に対する備えと、不測の事態への備えという、現実的な目的意識が見て取れる。
投資への関心の高まりも
貯蓄方法としては、「銀行の普通預金」が59.58%と圧倒的に多く、安全志向が根強いことが伺える。しかし、注目すべきは、「投資信託」が27.92%、「株式」が14.17%と、投資を選択肢に入れているZ世代が一定数存在することだ。
近年、投資による資産形成の重要性が叫ばれる中、若年層を中心に投資への関心が高まっていることは、以前から指摘されてきた。今回の調査結果からも、従来の世代と比較して、投資に対する心理的なハードルが低くなってきている可能性が考えられる。
一方で、投資経験の浅いZ世代は、リスクとリターンのバランスを適切に理解し、適切な投資行動を取ることが重要となる。金融リテラシーの向上が、Z世代の将来設計において重要な課題と言えるだろう。
将来への漠然とした不安を抱えるZ世代
今回の調査結果から、Z世代はむしろ将来を見据え、堅実に貯蓄に取り組む傾向があることが明らかになった。しかし、その背景には、将来への漠然とした不安が存在することも事実だ。
物価上昇や年金制度への不安、雇用環境の変化など、将来の見通しが立てにくい現代社会。Z世代は限られた収入の中で、将来への備えをどのように行っていくのだろうか。
Z世代が安心して将来設計を描けるよう、適切な情報提供や金融教育の充実が求められていると言えるだろう。
【調査概要】
対象者:全国・20歳~28歳・会社勤務(一般社員)・男女
サンプル数:240人
調査期間:2024/6/26
調査方法:Webアンケート
調査機関:クロス・マーケティング QiQUMOを利用した自社調査