「金利のある世界」でもスピードを重視してサービスを提供

――日銀は「マイナス金利解除」に動き、金融市場の金利が復活しました。この「金利のある世界」にはどんな対応を考えていますか。

案野 3月19日の金融政策決定会合で、日銀がマイナス金利解除を決定しましたが、当社では、その日に緊急会議を開いて、預金金利の引き上げを決め、プレスリリースを発表しました。銀行の中でも早い対応で、まさにネット銀行としての矜持だと思っています。

木幡 普通預金金利を0.03%に引き上げたのですが、これは、現在でも普通預金金利としてはかなり高い水準です。さらに、7月からは円定期預金6カ月もので0.50%というキャンペーンを開始しています。「金利のある世界」を多くのお客さまに実感していただきたいと考えています。

――この先、銀行サービスはどのように変化していくのでしょうか。

案野 街中の銀行の店舗・ATMは減っていますが、それは銀行機能の必要性が減少しているわけではなく、むしろ高まっていると考えられます。銀行サービスは、安全性の確保や高い利便性というのは当たり前に、その上で、生活に溶け込み、摩擦が無いものになっていくのではないでしょうか。

木幡 銀行の店舗に出向いて手続きをするとか、ATMに並んで入出金をするといったことは、ほとんどなくなり、より日常生活の中に溶け込んだ銀行サービスを使うようになる。スマホにパスワードを入力しなくても、指紋とか生体認証によって、摩擦なく、かつはるかに安全にさまざまな手続きや入出金、クレジットカードなどが使える、という方向に向かっていくと思います。

――ありがとうございました。かつては、「自宅の近くに店舗がある」などが選ぶ基準になりがちで、“銀行のサービス”に着目していなかった人も多かったと思われますが、これだけネット銀行がスタンダードになると、生活者はよりシビアに「自分に合っていて、使い勝手がよく、有利」な銀行を吟味していると思います。今後も、PayPay銀行の取組みに注目していきます。