<前編のあらすじ>
愛実(45歳は)隣人から義母をパチンコ屋で見かけたと聞いて不信感を抱いていた。その後、夫や高校生の娘・優海(17歳)にまで金を借りようとしたため、家に呼び出すと、義父の四十九日以来、2カ月ぶりにあった義母は変わり果てていた。「義父の介護は自分1人で頑張っていた。合法なパチンコをして何が悪い」とすごいけんまくで開き直られ、気おされてしまった愛実たち。しばらくして、義母が万引きをしたと警察から連絡があった。
●前編:「あんたたちは共働きでしょ! 」独居老人となった義母がパチンコの軍資金を無心した「仰天の相手」
万引きは一度や二度ではなかった
愛実たちはすぐに車に乗り込み、幸子がいるスーパーに向かった。
そこは愛実も何度か使ったことのあるスーパーなのだが、もう来ることはないのだろうなと覚悟しながら、裏口から事務所に向かった。
休憩室と書かれた部屋で幸子は背中を丸めて座っていた。幸子の隣には警官が2人並んで立ち、幸子の対面には店長が座っていた。武敏はすぐに店長に頭を下げた。
「た、大変申し訳ありませんでした」
「いや、もうね、一度や二度じゃないんですよ。それでもう警察に通報しました。でも残念ながら、逮捕はできないみたいなんで連れて帰ってもらえますか?」
店長はいら立ちを隠さずに、愛実たちに話す。
「それと、二度と店には立ち寄りませんっていう誓約書にもサインさせたので、あなたたちもこの人が店に近寄らないように見ておいてくださいね」
そう言って店長はデジカメで幸子の写真を撮る。
「この写真をうちの店員と共有しますんで。もし見かけたら、また警察に通報するんでお願いします」
早口でまくし立てる店長に愛実と武敏は謝り倒す。そうして、幸子を引き取って、店を後にした。