固定金利型への乗り換えに潜む注意点
金利上昇による住宅ローンの返済額増加で泣かないようにするためには、固定金利型に乗り換えるという手があります。
しかし、金利の予測は非常に難しいことをまず理解してください。将来的に、金利がどんどん上昇していく局面なら、固定金利型住宅ローンに乗り換えるのも有効でしょう。
ただし、同じ時期の変動金利型住宅ローンと固定金利型住宅ローンの適用利率を比較すると、基本的に固定金利の方が高くなります。あくまでもおおよその話ですが、変動金利型に比べ、固定金利型は1%程度、上乗せされると考えて良いでしょう。かつ金利のタイプを変更する際には、手数料を徴収する金融機関もあります。
したがって変動金利型から固定金利型に乗り換えるには、今後、変動金利型のままだと1%超、適用利率が上がることを前提にしないと意味がありません。
では、どの程度、変動金利型の適用利率は上昇するのでしょうか。
実は、マイナス金利が解除されたとしても、変動金利型住宅ローンの適用利率は、それほど上がらないということも考えておく必要がありそうです。というのも、2016年2月にマイナス金利が導入された時、短期プライムレートの最頻値は、それ以前から適用されている年1.475%のまま変わらなかったからです。
したがってこの先、よほど短期金利が上昇しない限り、短期プライムレートが見直されることはなく、変動金利型住宅ローンの適用利率も上昇しない、と考えることができます。
インフレ率を見ると、徐々に落ち着きを取り戻している感もあります。これらの観点から考えると、日銀のマイナス金利の解除によって、泣く人も笑う人もいない、淡々とした状況が、しばらく続くのではないでしょうか。