首都圏の新築マンション価格が値上がりする理由

都心の新築マンション価格が値上がりを続けています。少し古いレポートになりますが、三菱UFJ信託銀行の「不動産マーケットリサーチレポート」によると、首都圏の新築分譲マンション販売のボリュームゾーンが、過去10年間で3000万円~5000万円から、5000万円~1億円台に上昇したとされています。

少し細かく見ると、首都圏(1都3県:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)における新築分譲マンションの平均販売価格は、2022年が6288万円(東京23区は8236万円)となり、2012年に比べて38.5%(東京23区は55.9%)も上昇しました。

新築分譲マンションの価格が上昇している理由について、同レポートでは2つの要因を指摘しています。マンションを建築する際にかかる建築原価が上昇していることと、用地価格が上昇していることです。

どのくらい建築用資材が値上がりしているのかというと、これはもう大変な状況です。最近でこそ若干落ち着いてきた感はありますが、原油価格や木材価格、鉄鉱石価格など資源・エネルギー価格が大幅に上昇したことに加え、円安が大きく進んだこと、電気料金が値上がりしたことも、建築原価を引き上げました。

日本は木材や鉄など多くの建築用資材を海外からの輸入に頼っていますから、円安は、その仕入価格に対してダイレクトに影響します。かつ電気料金が値上がりすれば、建設現場で使用する電気代だけでなく、建築用資材を加工するのに使う電気代などに影響を及ぼし、全体的に建築コストを引き上げることになります。