建設資材と用地の価格はどれくらい値上がりしている?
一般財団法人建築物価調査会によると、2023年11月分の建築資材物価指数(東京)は、建設総合で134.8になりました。この数字は、2015年を100.0として指数化されています。そして、コロナ禍の最中だった2020年の平均が104.0なので、この3年弱の間に、29.62%も上昇したことになります。
その結果、新しくマンションを建設するにあたって必要な資材を調達するのに、マンションデベロッパーは大幅なコスト負担に悩まされているのです。
新築マンション価格を押し上げている、もうひとつの要因は用地価格の上昇です。
これについては、同レポートで「デベロッパーによる用地仕入の進捗状況(首都圏)」のデータを基に分析されていますが、要するにマンションを建設するには、ある程度大きな用地が必要であり、その用地を確保するのに、かなり大変な状況にあることが、このデータからうかがえます。
具体的には、用地仕入れの進捗状況について、「ほぼ計画通り」、「苦戦している」、「見合わせている」、「その他」の4つに分けて過去の推移を示していますが、2023年上期は86%が「苦戦している」と回答しました。とはいえ、過去においても「苦戦している」の回答比は常に高位にあるので、マンションデベロッパーは恒常的に、マンション用地の仕入れに苦労してきたことになります。
ちなみに用地の仕入れに苦戦している理由は、圧倒的に「用地価格が検討可能水準以上に高騰しているため」が多く、それだけ東京23区を中心とする首都圏における地価が、大きく値上がりしていることをうかがえます。