新NISAは中間所得層の資産形成の促進策なのか?
さて、そもそも新NISAとは中間層の資産形成の促進策なのでしょうか? NISAの利用状況を踏まえると、その答えは「Yes」。昨年12月に開催された日本証券業協会の証券戦略会議の資料※2から、いくつかのデータを紹介しましょう。
●NISA口座の所得区分別利用状況
一般NISA利用者のうち、約7割は年収500万円未満
つみたてNISA利用者のうち、約7割は年収500万円未満
一般NISA、つみたてNISAともに中間層を中心に利用されている(日本の平均給与は433万円)
●NISA口座の保有金融資産別利用状況
一般NISA利用者のうち、約4割は金融資産1,000万円未満
つみたてNISA利用者のうち、約7割は金融資産1,000万円未満
一般NISAは中間層の高齢者(資産活用層)を含め幅広い世代で利用されているため、金融資産は高くなる傾向があり、つみたてNISAは中間層の資産形成層である若年層に多く利用されているため、金融資産が低くなる傾向がある(日本の家計の平均保有金融資産は単身世帯で1,062万円、2人以上世帯で1,563万円)
※2 出所:日本証券業協会、投資信託協会、全国証券取引所協議会「直近のNISAの利用状況と新しいNISAに向けた官民の取り組みについて(2023年12月)」
上記データに基づき、一般NISAとつみたてNISAを合わせて考えると、NISA利用者の約7割は年収500万円未満であり、過半数は金融資産1,000万円未満となるので、NISA制度は中間層の資産形成のために活用されていると言えるでしょう。