S&P500を選ぶべき人、全世界株式型を選ぶべき人
最後に、「S&P500を選ぶべき人、全世界株式型を選ぶべき人」に関する私の考えをお伝えします。
まずは、S&P500を選ぶべき人。短くまとめると、「リスクを取ることができ、最大のリターンを得たい人」。そして全世界株式型を選ぶべき人は、「なるべくリスクを抑えつつ、大きなリターンを得たい人」です。
前提として、S&P500は、新NISAのつみたて投資枠での投資先としてはリターン・コスト面で最適だと考えています。一方で、S&P500のリスクが高いことは避けられません。どこまでいっても「米国のみ」に投資するため、米国経済が傾くとほぼ確実にダメージを受ける……この事実は理解する必要があります。
そして「最適」と考えるのは、この記事を執筆しているタイミング(2023年12月現在)に限っての話。今後もずっとS&P500が最適であるとは、私も思っていません。いずれ米国以外の国から、GAFAMを超えるようなグローバル企業が生まれるかもしれない。その実現は10年後か、20年後か、私が生きているうちには訪れないのか……答えは、今の私には分かりません。
今後世界経済の流れを体感し、「米国が経済トップではなくなりそうだな」という局面となったとき、はじめてS&P500から別の投資信託に切り替えていくつもりです。
米国にそこまで賭けるのは怖い。世界の潮流を読んで投資先を切り替えるなんて、面倒だし難しそう……。ここまでの話を聞き、そう感じた方。そのような方こそが、まさに「全世界株式型を選ぶべき人」なのです。
過去5年間のリターンを比較すると、S&P500の方が高くなっています。一方で、自分のビジネスや自己投資、趣味にしっかり時間を割きたいという方は、投資についてアレコレ考えすぎるのも得策ではありません。その点、全世界株式型であれば「米国寄りではあるものの、ひたすら積み立てて何十年もホールドしておく」という戦略を躊躇なく取ることができるのです。
個人的にはS&P500派ですが、やはり全世界株式型にも全世界株式型にしかない魅力とメリットがあります。新NISAで何の商品を買うか迷っている方は、ご自身の考え方に合わせ、ぜひ最適な道を選んでいただければと思います。