筆者が選ぶのはS&P500-理由は「成長性と安定性」

米国全体に投資するS&P500。世界全体に投資する全世界株式型。新NISAの投資対象としてはこの2つの投資信託が主流ですが、投資のプロ(現役銀行員・証券アナリスト)である筆者が「新NISAでどちらを選ぶか」の個人的考えをお伝えします。

結論から言うと、私はS&P500を選びます。その最も大きな理由は、米国経済の成長性・安定性です。

例えば直近の10年間(2013~2022年)を振り返ると、新型コロナウイルス発生やロシア・ウクライナ問題など、さまざまな出来事が起こっています。当然、これらの局面では世界的に株価が下がっていますが、それでもなお、S&P500の平均リターンは10年間で14.8%となっています。

米国は、長期的に成長を続けている。加えて盤石な経済インフラが構築されているため、大きな危機で一時的に株価が下がることはあっても、そこから立ち直れる土台と体力があります。

「成長性」だけを見ると米国を超える国はいくつもありますが、そのほとんどが新興国です。新興国は人口増加や経済の発展性が魅力的ですが、まだまだインフラ面で不安が残ります。一言でいうと、「成長性はピカイチだけど、恐慌に対する経験・実力に欠ける」といったイメージです。

このように、世界経済トップであり安定性も高い米国。一方で、中国が急成長していて、2030年頃には米国を超える経済大国になるという予測もあったり、人口面ではすでにインドが世界一で、平均年齢も28歳と若く活力があったりします。いずれ米国は世界経済のトップでなくなる日が来ることも、十分ありえるのです。

それでも、私はS&P500を選びます。なぜなら「米国が世界経済のトップでなくなる日」が、遠い未来だと見込んでいるからです。世界で巨大な影響力を持つ“GAFAM(ガーファム:Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)”を見ても、すべて米国企業です。

GAFAMはほんの一例に過ぎませんが、「米国が世界経済の中心である」という風潮が変わるのは相当先であり、それまではS&P500の成長力に賭ける方が確実で安定性が高いと評価するためです。