問題点①:受益者の負担コストが割高

ただ、ファンドラップはお手軽に利用できる反面、コストが割高になるという問題があります。

通常、投資信託を購入する際に受益者が負担するコストは、購入時手数料と信託報酬がメインです。最近は、購入時手数料を無料にしているファンドも少なくないのですが、一般的なケースで言うと、購入時手数料が購入金額の2%前後、信託報酬率は近年、大幅な引き下げ競争が行われていますが、アクティブ型のファンドであれば年0.7%~1.0%程度、といったところでしょうか。

これに対してファンドラップのコスト構造は、対象ファンドの範囲内で買い付けた投資信託については、購入時手数料がかかりません。購入時手数料がかかるファンドだと、販売金融機関が手数料欲しさに回転売買を促す恐れがあるという批判も強いだけに、購入時手数料がかからないのは、回転売買が起こりにくくなるという点で、ファンドラップの利点の1つと言っても良いでしょう。

しかし、信託報酬に加えて「投資一任契約に係る報酬」という名のコストがかかってきます。これはラップサービスを提供する金融機関が受け取る報酬です。金融機関によって料率は異なりますが、年1.0%弱が取られます。