過剰な教育費で、親も子も不幸に!?

子どもの教育費は、幼稚園から大学まですべて国公立の学校に通った場合で1人あたり約1000万円といわれます。私立に進学したり、子どもが複数いたりすればその分増えます。

なかでも大学の費用は数年の間に集中して必要になるため、一朝一夕では準備できません。子どもが18歳になるまでに300万〜500万円を目標にコツコツと貯めていきましょう。

ポイントは、高校卒業までの教育費は、コツコツ貯めた分からではなく、毎月の生活費のなかでやりくりするということ。この段階で貯蓄を崩してしまっていては、大学の費用を捻出するのはより難しくなります。

奨学金を借りると子ども自身のライフプランに影響しますし、老後の生活費などに手をつけることも将来的に子どもに迷惑をかける結果になりかねません。

「教育費沼は底なし沼」といわれます。教育費をかけすぎてライフプラン全体の軌道修正を迫られることのないように注意したいものです。

「令和3年度子供の学習費調査」(文部科学省)、「令和3年度教育費負担の実態調査結果」(日本政策金融公庫)をもとに作成

子どもが2人、3人と複数いる場合には、教育費はそれぞれの子どもごとに銀行口座や名義を分けて貯めていきましょう。貯まるスピードも見える化できますし、「上の子の教育にお金をかけすぎて下の子の分が足りない!」といった事態の防止にもなります。

●第3回(学歴によって5000万円近くの開きも…「生涯賃金」のデータ、驚きの実態)では、理想の人生設計の必須事項や具体的な方法について解説します。

『ライフプランから考えるお金の増やし方』

大竹のり子 著
発行所 ナツメ出版
定価 1,540円(税込)