みなさんは「金利」を意識したことはありますか?
住宅ローンを組んでいる人は、多少なりとも意識していると思います。フラット35の融資額90%以下の金利は、融資期間20年以下で年1.40%、21年以上で年1.88%が最低金利ですから、低いと言えば低いのですが、それでも融資利率は年1%を上回っていますから、多少なりとも金利の負担感はあります。
ただ、運用することに関しては、おそらく「利息を受け取った」という実感はないと思います。大手銀行の預金利率は、預入期間の長短、預入金額の多寡に関係なく年0.002%でしかありません。これがどれだけ低いかというと、1000万円を1年複利で10年間運用し続けたとしても、2000円の利息しか受け取れないことを意味します。
日本の金利がここまで下がった背景
なぜ、ここまで金利が下がってしまったのでしょうか。
一番の要因は、1990年に入ってからのバブル崩壊です。戦後、最悪の経済情勢になるなかで、日本銀行は大幅な利下げを余儀なくされました。不景気の時は、金利を下げて景気の活性化をはかるのが定石です。
日銀は幾度となく利下げを行い、金利水準を大幅に引き下げました。一時期、ITバブルによって景気が回復したことで、利上げを行う姿勢を見せたものの、2000年に入ってから金融不安が浮上。さらに物価が継続的に下がり続けるデフレ経済が深刻になり、超低金利政策が継続されることになりました。
その後は言わずもがな、ですが、2007年のサブプライムショック、2008年のリーマンショック、2010年の欧州通貨危機、2011年の東日本大震災、2020年のコロナショック、というように、ようやく景気が持ち直すかと思えば、再び景気悪化が深刻化するということの繰り返しによって、日本は利上げのタイミングを失い、現在に至っています。