バランス型ファンドで十分 狙い目はつみたてNISA対象商品

先述の資料は、比較対象をつみたてNISA対象ファンドとDC専用ファンドに絞った場合、ファンドラップの運用成績は費用控除前でもバランス型ファンドに見劣りするとも指摘しています。

費用控除前のシャープレシオ(5年)では、バランス型ファンド全体の平均値を上回ったファンドラップが目立つ……(略)……バランス型は、アクティブ型のバランス型ファンドが金額加重と時間加重収益率低下の主因になっているとみられ、バランス型でもつみたてNISAやDC専用に対象を絞ると、大小関係は逆転する。

引用:金融庁 国内運用会社の運用パフォーマンスを示す代表的な指標(KPI)の測定と国内公募投信についての諸論点に関する分析(2022年末)

投資信託は複数の銘柄で運用される商品です。その投資信託を複数組み入れるファンドラップは、さらに広い範囲へ分散投資することになります。

極端な分散投資はリスク低減に期待できる一方、ポートフォリオが市場平均により近づくことでリターンも平均的なものにとどまりやすくなります。したがってファンドラップは運用で差別化を図ることが難しい商品といえます。このような理由から、同じように複数の投資信託で運用されるバランス型ファンドとは似たような成績になりやすいのです。

リターンが同じならコストは低い方が有利です。ファンドラップに資金を預けるなら、バランス型ファンドを検討してみてください。特につみたてNISA対象商品にも選ばれている銘柄なら信託報酬も一定以下であり、より有利に運用しやすいでしょう。

文/若山卓也(わかやまFPサービス)