iDeCo(イデコ)は老後に向けて資金を積み立てる制度です。積み立てた資金は原則として60歳以降に引き出せます。引き出すまでは資金を「元本確保型商品(定期預金など)」と「投資信託」で運用できます。
投資信託で運用できることから、iDeCoは投資の方法として紹介されるケースが増えてきました。しかし、実は必ずしもリスクを取る必要はありません。投資信託で運用しなくても、元本確保型で十分大きなリターンに期待できるのです。
積立額の全額が所得控除 リスクを取らなくてもリターンが大きい
iDeCoへの積み立ては「小規模企業共済等掛金控除」に該当し、全額が所得控除となります。税金は所得に税率をかけて計算しますが、所得控除は所得を減らすことで税金を軽減する仕組みです。
例えばiDeCoに毎月1万円積み立てると年間で12万円の所得控除となります。税率が20%なら2万4000円(12万円×20%)の節税が見込めます。
税率は所得税で最低5%、住民税(所得割)でおおむね10%ですから、少なくとも積立額×15%分の節税が期待できることとなります(復興特別所得税を除く)。節税を利益ととらえれば、iDeCoは毎年15%以上のリターンが見込める制度といえるでしょう。
所得控除の効果は元本確保型で運用する場合も変わりません。「リスクを取らず、節税の効果だけ享受したい」という人には、元本確保型が有望です。
ただし、もともと税金がかからない人に所得控除の恩恵はありません。扶養内で働く人や無職の人、また住宅ローン控除などで納めるべき税金がない人は注意してください。