投資信託で「為替ヘッジなし」を選んだ方が良い理由
海外市場で運用する投資信託の中にも、同一ファンドで「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」を選べるタイプがあります。次の表はその一例です。
●グローバル株式ファンド 為替ヘッジ有無のパフォーマンス比較
野村アセットマネジメントの広告というわけではないのですが、同社が運用しているファンドの一部で、為替ヘッジありと為替ヘッジなしを選べるファンドの、7月末時点の運用成績をピックアップしてみました。
たとえば1年の騰落率を比較してみてください。ちなみに2022年7月末時点のドル/円は1ドル=133円前後で、2023年7月末のそれは1ドル=142円前後でした。円安が進んでいるため、為替ヘッジをせずにドルを保有していれば、1ドルにつき6.77%の為替差益が得られた計算になります。
その前提で各ファンドの1年間騰落率を見比べてみてください。どのファンドも、為替ヘッジなしの方が、高い運用成績となっています。これは言うまでもなく、前述したように為替差益がファンドの運用成績を押し上げているからです。
ちなみに、為替ヘッジありと為替ヘッジなしの騰落率の差がファンドによって異なりますが、これは各ファンドで為替ヘッジのオペレーションが異なるからと考えられます。
そのうえで、為替ヘッジありと為替ヘッジなしのいずれを選べば良いのかということですが、海外の株式や債券に投資する理由を考えてみてください。
もちろん、海外の株式や債券の方が高いリターンが期待できるからかもしれませんが、同時に海外市場に投資するのは、ポートフォリオを、円という単一通貨のみに集中させることへのリスクを軽減させる狙いもあります。
為替ヘッジありを選ぶということは、実質的にポートフォリオを円資産のみに集中させているのと同じことになります。ポートフォリオの通貨分散効果も得るのであれば、やはり為替ヘッジなしを選んだ方が良いでしょう。