海外の株式や債券、あるいは外貨預金などでお金を運用する際に、気になるのが為替リスクだと思います。
為替差益・為替差損の仕組み
たとえば1ドル=120円の時に、1万ドルの外貨預金に預けたとしましょう。
まず、円を外貨に替えるので、120円×1万ドル=120万円の円資金が必要です。ちなみに計算上、為替手数料などは考慮せずに説明します。なお、利率は年1%としましょう。
1年後、1万ドルに1%の利率が付きますから、ドル建て元利合計金額は1万100ドルです。満期時のドル/円が1ドル=125円だったら、125円×1万100ドル=126万2500円が戻ってくるので、6万2500円の利益を得られます。このうち利息分は125円×100ドル=1万2500円なので、5万円は為替差益分になります。
しかし、為替は常に円安になるとは限りません。実際、ほんの10年ほど前はひたすら円高が進むという環境でもありました。
仮に満期時のドル/円が1ドル=110円だったらどうでしょう。110円×1万100ドル=111万1000円が、満期時に円で受け取れる満期金になりますから、預入時に比べて8万9000円も損することになります。ドル安が進んだことによって、為替差損が生じてしまったのです。
恐らく、10年前の円高を経験した人は、外貨建て金融商品に対して、円安によって為替差益が得られるメリットよりも、円高によって為替差損を被るデメリットの方が、強く印象付けられているのではないかと思います。
円高で為替差損を被るリスクを軽減したいという気持ちの表れで、為替ヘッジ付きの外貨建て金融商品を選ぶ人も、少なからずいるのです。