戦後初の国債は特例国債(赤字国債)

財政法に基づいて発行される建設国債に対して、特例国債(赤字国債)は、発行されるたびに特別法を制定し、特例により発行される国債です。

特例国債は建設国債の発行をもってしてもなお歳入が不足すると見込まれる場合に、公共事業など以外の歳出に充てるための資金調達を目的として発行されます。

1965年、東京オリンピック直後の日本経済は、昭和40年不況と呼ばれる深刻な不況に陥りました。企業の倒産が続出し、政府の税収も大きく落ち込みます。当時の佐藤栄作首相や福田赳夫大蔵大臣などが議論を重ねた結果、1965年11月19日の第二次補正予算で、戦後初めてとなる国債を発行する方針を決定しました。

この国債発行に対して、佐藤首相は「あくまでも特例としての発行である」と発表し、これにより特例国債(赤字国債)が生まれたのです。

戦後初の国債は、なるべく発行したくなかったので特例として出しました。しかしその後も国債の発行を続けざるをえなくなり、特例としてではなく「建設国債」として発行されるようになります。

国債発行額の推移(出所:財務省)