遺族年金も確認しておく

さらに、両親どちらかに万一のことがあった場合、遺族年金はいくらになるか確認しておくと安心です。一般的に、女性の方が長生きで、かつ低年金なことが多いです。したがって、将来的に父親の遺族年金を受け取りながら母親が生活するケースを想定しておくと良いでしょう。

遺族年金がいくらになるかは、母親が気になっていても聞けていないこともあるでしょうから、「一緒に計算しよう」と声をかけると、安心してもらえるかもしれません。

遺族年金は、加入している年金制度によってルールの違いはありますが、両親2人とも65歳以上で父親が老齢厚生年金を受け取っているなら、父死亡後の母親の年金は母親の老齢基礎年金と、

① 父親の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の金額
② ①の3分の2と母親の老齢厚生年金の2分の1の合計額

のうち金額が高い方です。

実際には細かな調整がありますが、目安の金額を知るだけなら、上記①か②のどちらかだと思っておくと良いでしょう。年金額を聞いた時に、あわせて計算しておいてください。もし、その金額では生活が心もとないようなら、母親に積立投資を始めてもらうことも選択肢になるかもしれません。

ちなみに、筆者の母はつみたてNISAを72歳から始めました。もちろん、母は投資のど素人。理解力も長けているわけでは全くありません。しかし、好奇心から投資をスタートさせ、つみたてNISAをはじめて3年で、資産は増えていますし、本人もこれからも積み立てを続けていきたいそうです。

令和4年時点で、70歳の女性の平均余命は19.89年。70代からの積立投資も決して遅くないと言えます。

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親の家計への不安は、親との対話の中で、心配事を1つずつ解決していかなければ、いつまでたっても解消できません。いつかは必ずしないといけないお金の話。みなさんも自分なりのきっかけを見つけて話をしてみてはいかがでしょうか。