登山が趣味の父は、ある日、下山の途中で道を間違えて遭難してしまいました。本人が遭難に気付いてすぐに119番通報したことで県警の捜索が始まり、ヘリ2台が出動する事態に。最終的に無事救助されましたが、もしかすると多額の救助費用を支払うハメになっていたかもしれません。
この出来事をきっかけに、今後、万一の事態が起きた時のことを考えて、親とお金の話をしておいた方が良いだろうと筆者は考えました。
●前編:【「完全に迷った」山で遭難した父。“ヘリ出動”の救出劇に支払った費用は…】
キャッシュカードと暗証番号だけでは不十分?
遭難事故をきっかけに、筆者は親から「ここに置いてあるから」とキャッシュカードや通帳の保管場所を教えてもらいました。
親に判断能力があり同意を得ている場合は、ATMから親のお金を引き出すことはできます。しかし、基本ルールとしては、銀行窓口にしろATMにしろ、本人以外が預金を引き出すことはできません。
しかも、仮にATMからお金を引き出せたとしても、希望通りの金額を引き出せるとも限りません。詐欺対策のため、顧客が70歳以上の高齢者の場合は、ATMでの振り込みや引き出しの金額を10万円、20万円などと制限している銀行も多いからです。
急な出費で、ATMの限度額以上の金額を引き出したい場合は、銀行窓口に相談すれば、預金者本人との関係や事情を確認した上で、必要額程度の払い出しは行ってくれるようです。なお、親と同居している場合は代理人カード(家族カード)を作っておくと、親の口座からスムーズに預金を引き出すことができます。