サブスクに用いられる“割安に見える”トリック

前述したような話を数字のトリックと言います。数字はうそをつきませんが、うまく利用することによって人の目をだますことができます。このような数字のトリックにだまされないようにするためには、何か1つ基準を見つけて、それと比較したり、掛け算や割り算を用いて、より現実的な数字に修正したりすると良いでしょう。

例えば前出の1626億円については、日本の人口で割ることによって、水産品の1人あたり年間購入額に修正しました。同じように、サブスクリプション型のサービスを利用する時は、掛け算で金額を計算すると良いでしょう。

先日、アマゾンプライムが年会費を4900円から5900円に値上げすると報じられ増したが、一般的にこの手のサブスクリプション型のサービスは、月額を提示しておトクな印象を植え付けようとします。

「月額会費は600円。たったの600円で、映画が見放題、音楽も聴き放題」ということになるのですが、月額600円ということは年額にすると7200円。10年で7万2000円です。

ちなみに映画にしても音楽にしても、常に自分が観たい、聴きたいコンテンツが必ずそろっているとは限りません。それに対して10年間で7万2000円を払う価値があるのかどうか、という点を考えないと、サブスクリプション型サービスは案外、おトクではないということになってしまう恐れがあります。

複数のサブスクリプション型サービスを利用している人は、特にこの点を慎重に考える必要があるでしょう。