受講中は業務免除 「ダイキン情報技術大学」とは

最後に斬新な社内制度についても触れておきましょう。ダイキン工業は2017年、大阪大学と連携し「ダイキン情報技術大学」を社内に設置しました。AI分野の技術開発および事業開発を担う人材育成を目指し、新入社員を含め希望者を教育する社内講座です。

ダイキン情報技術大学がユニークな点は、通常業務が免除される点です。受講者は給与を受け取りながら2年間かけて情報技術を集中的に学びます。計画では2023年度末までに1500人のAI人材の育成を目指すとしています。ダイキン工業の従業員は7618人(単体、2023年3月末時点)ですから、全体のおよそ2割がAI技術を身に付けることとなります(出所:ダイキン工業 有価証券報告書)。

ダイキン工業がこれほどの規模で教育に力を入れる理由は、人材の確保のためです。ダイキン工業は空調設備の専業メーカーのためIT人材が不足する傾向にあり、人材獲得競争の激化から外部からの獲得も難しいという課題に直面しました。そこで社内での育成を目指したのです。

さらなる成長を目指す企業にとって、人材の確保は重要な問題です。ダイキン工業の取り組みは、その解決に向けた先行投資といえるでしょう。

文/若山卓也(わかやまFPサービス)