エアコン大手のダイキン工業が好調です。2023年3月期までに2期連続で最高益を更新し、翌期も増益の予想を発表しました。株価もこれに応え、大きく値上がりしています。

【ダイキン工業の業績】

  売上高 純利益
 2022年3月期 3兆1091.06億円 2177.09億円
 2023年3月期 3兆9815.78億円 2577.54億円
 2024年3月期(予想)    4兆1000.00億円   2640.00億円

※2024年3月期(予想)は、2023年3月期時点における同社の予想

出所:ダイキン工業 決算短信

【ダイキン工業の株価(月足、2020年7月~2023年7月)】

出所:Investing.comより著者作成

ダイキン工業は株式市場の評価が高く、「JPXプライム150指数」にも市場評価基準に基づいて採用されています。今回はダイキン工業に焦点を当ててみましょう。

世界170カ国で展開するグローバルトップ企業

ダイキン工業は1924年に創業されました。戦前は主に飛行機用の部品や潜水艦用の冷凍機を手掛けます。社名は創業時の屋号である大阪金属工業所の「大阪(ダイ)」と「金属(キン)」が由来となり、1963年に改称されました。

空調事業の基礎が固まったのは1951年のことです。空調設備は従来、稼働に高度な技術が求められていました。ダイキン工業は日本で初めてボタン1つで簡単に操作できるパッケージ型のエアコンを開発し、大ヒット商品となります。

1958年には家庭用クーラーも発売し、ダイキン工業はエアコンなどの空調事業へ軸足を移していきました。ルームエアコンの普及率は1960年から2000年にかけて大きく上昇しており、ダイキン工業の業績に寄与したものと考えられます。

【ルームエアコンの普及率(2人以上世帯)】

出所:内閣府 消費動向調査より著者作成 

ダイキン工業の強みはグローバル力にあります。1966年のマルタ共和国を皮切りに、現在では世界170カ国以上で事業を展開していいます。国連加盟国は193カ国ですから、同社のビジネスは地球をほぼ網羅しているといえるでしょう。空調事業の海外売上高比率は85%にも上ります(2023年3月期)。

【空調事業の地域別売上高(2023年3月期)】
・日本:5530億円
・欧州:6574億円
・中国:4301億円
・米州:1兆3346億円
・アジア:4147億円
・オセアニア:1286億円
・中近東:970億円
・アフリカ:143億円

出所:ダイキン工業 決算説明会資料