お金の教育には「株主優待」が役立つ

では、新NISAで教育資金を作る場合、何を買えばいいのか。

万人にオススメできる投資先は、やはりインデックスファンドです。米国の株価指標「S&P500」に連動する投資信託などを選べば、分散効果を得つつ収益が狙える……とリスクを抑えた投資が可能です。

一方、私がお個人的にオススメしたい投資方法は、教育資金を作りつつ「お金の教育」につなげること。結論から⾔うと、「株主優待狙いの株式」を買うことです。インデックスファンドの積み立て投資を行いながら、一部の資金を株主優待狙いの株式に回すのも良いでしょう。

なぜこの方法をオススメするかと言えば、優待株を買うと、毎年決まった時期にカタログギフトや商品券などが届くからです。それを何年も続けるうちに、⼦どもは「毎年家にいろいろなものが届くけど、なんでだろう?」と気づくはず。そうして⾃分で疑問を持ち、親であるあなたに質問を投げかけてきた時……ここで初めて、投資について説明してあげるのです。

私は銀⾏に勤めていることもあり、⼦どもには「お⾦の教育をしっかりしてあげたい」という想いがあります。ただ、難しいのはその教え⽅。⼦どもにとって、親から⼀⽅的に詰め込まれる知識は苦痛でしかないと思うのです。

しかし、⼩さい頃から株主優待に触れ、⾃分で興味を持つことができればどうでしょうか。親が強制しなくても、⾃分から知識を欲しがるようになるのではないでしょうか。

⼦どもに収益額などの数字を見せても、「投資でお⾦が増えている」というイメージをつかむのは難しい。⼀⽅、優待品というわかりやすいリターンがあれば、⼦どもはどう感じるか。「投資をすると、素晴らしい⾒返りがある」という感覚を、⼩さい頃から⾝につけられるはずです。

親として、お⾦や投資の教育は⾮常に難しい問題です。⼦どもが幼すぎると、複雑な内容を理解できない。逆に⾼校⽣ぐらいの気難しい時期になれば、そもそも「⾯と向かって何かを伝えられる」という機会が減っているかもしれません。

したがって、親は優待株を使い、⾃然と投資に触れて学ぶ環境づくりに徹する。そんなやり⽅も、「お⾦の教育」の1つの選択肢となるのでないかと考えています。