人気インデックスファンド・シリーズの存在感

では、実際に数字を見てみましょう。2023年3月期における大手運用会社の営業収益、ならびに純利益です。表は、日本経済新聞に掲載されていたものを一部加工しています。

●おもな運用会社の2023年3月期決算(億円)

日本経済新聞「運用主要5社、前期最終減益 薄い利幅・海外任せのツケ」を元に筆者作成

 

今期、減収減益になったのは、一覧表になっている国内大手運用会社7社のうち、アセットマネジメントOne、三井住友DSアセットマネジメント、大和アセットマネジメント、三井住友トラスト・アセットマネジメントの計4社でした。

運用会社の場合、営業収益が一般事業法人の「売上高」にあたります。純利益率は、当期純利益を営業収益で割ったものですから、一般事業法人の損益計算書でいうと、いわゆる「売上高当期純利益率」に該当します。

冒頭の記事にあるように、この表の数字が、インデックスファンドへの資金流入増によって運用会社の収益構造を悪化させていることをどこまで証明できるか、それは何とも言えませんが、共通する点として今期、減収減益になった運用会社の多くが、個人に人気の高いインデックスファンド・シリーズを持っていることです。

●アセットマネジメントOne・・・・・・「たわらノーロード」
●大和アセットマネジメント・・・・・・「iFreeシリーズ」
●三井住友トラスト・アセットマネジメント・・・・・・「SMTインデックスシリーズ」

三井住友DSアセットマネジメントは、上記3シリーズのようなインデックスファンドのシリーズはありませんが、同社の全運用ファンドを純資産別に見ると、上位にはかなりの本数のインデックスファンドが運用されていることが確認できます。