為替ヘッジあり・なし、どう選ぶ?

では、海外の株式や債券を組み入れている投資信託で、為替ヘッジありと為替ヘッジなしが選べる場合、どちらにした方が良いのでしょうか。

もちろん、どうしても為替リスクに馴染めないというのであれば、為替ヘッジありを選ぶのもありだと思いますが、実は長期の為替レートの推移を見ると、特に米ドル/円は案外、大きく動いていないことが分かります。

たとえば1979年からの米ドル/円を見ると、1987年に米ドルの高値、1米ドル278円50銭があり、そこから1995年の1米ドル=79円75銭まで大きな米ドル安・円高局面があったものの、それ以降の推移を見ると、米ドルの安値が1米ドル=75円52銭、高値が2022年の1米ドル=151円94銭というように、大体75円から150円のレンジ内に納まっています。

それでも、確かにかなりワイドなレンジではありますが、長期的にこのレンジ内で推移しているということを考えれば、将来的に米ドル安・円高が進んだとしても、また再び米ドル高・円安に戻ることも十分に考えられます。

そこから考えると、長期的な時間軸で海外資産に投資するのであれば、為替ヘッジなしで投資したとしても、為替差損によって円ベースの資産価値が大きく毀損する恐れは小さいと考えられます。

もちろん、あくまでも長期投資を前提にしますが、外貨建て金融商品を購入するにあたって、必要以上に為替リスクを怖がることはないのです。