2024年1月からスタートする新NISAの「成長投資枠」で購入できる投資信託が、6月21日に投資信託協会から公表されました。ひとまず今回は約1000本でしたが、最終的には約2000本がリストアップされる予定です。

新NISAの投資枠と対象商品

新NISAは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が設けられていて、この両方を併用できます。非課税期間は無期限で、年間投資上限額は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円です。

このうちつみたて投資枠で購入できる投資信託は、現行のつみたてNISAで対象となっている投資信託とETFが、そのまま引き継がれます。

ちなみに、つみたて投資枠で購入できる投資信託は、指定インデックス投資信託が195本、指定インデックス投資信託以外の投資信託(アクティブ型投資信託)が30本、ETFが8本の、合計233本(2023年6月現在)に限定されていますが、成長投資枠は、このように対象商品が絞られるのかどうかという点が注目されていました。

一般NISAの想定外の使われ方

というのも、成長投資枠の前身にあたる「一般NISA」の場合、株式と株式投資信託、ETF、J-REITはほぼすべての銘柄が購入対象になっていたからです。

ただ、株式と株式投資信託、ETF、J-REITに関して、ほぼすべての銘柄を購入できた一般NISAは、金融庁が制度をつくる際に想定していた、長期の積立投資によって資産形成をするためのツールという側面にはそこまで注目が集まりませんでした。

どちらかというと短期で大きな値上がりの期待できる個別株式や、レバレッジ型株式投資信託で得た売買益を非課税でまるもうけするといった、想定外の使われ方に注目が集まり、実際、そういう投資をした利用者も結構多かったと聞きます。

2018年1月から、つみたてNISAをスタートさせたのは、このような使われ方をした一般NISAは失敗だと、金融庁自身も認識したからではないかと推察します。

そのためか、つみたてNISAと一般NISAの併用は認められず、つみたてNISAは20年という非常に長い非課税期間が与えられました。

一方で、そもそも一般NISAは、制度の存続が2023年までだったため、金融庁は制度の延長を認めず、そのままフェードアウトさせるつもりだったのかもしれません。

一般NISAが消滅しても、つみたてNISAは残っていますから、その範囲で長期の資産形成は可能です。