20代など若い人たちの間で生命保険への加入は減っているのでしょうか。

今から30年くらい前は「職域営業」と言って、新入社員が入社してくる時期になると、生命保険会社のセールスがオフィスを回って、生命保険に加入してもらうという風景が、ここかしこで見られました。

しかし、今はオフィスのセキュリティが強固なため、生命保険会社のセールスが簡単に入って来られるような環境ではありません。

さぞや生命保険のセールスも苦労しているのではないかと思うのですが、若い人たちは今、生命保険に対してどのような意識を持っているのでしょうか。

若者の生命保険離れは進んでいる?

結論から言うと、若い人たちの生命保険離れは、案外進んでいないようです。

生命保険文化センターが発行した「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」(2023年3月)の内容をベースにして、第一生命経済研究所 総合調査部の岩井紳太郎研究員が執筆した「最近の若者の保険離れは加速しているのか」というレポートによると、明確に保険離れが進んでいるという事実は、データからも見られないという結論でした。

日本は“保険大国”と言われるように、生命保険に加入する率が非常に高い性質が見られます。

日銀の「資金循環統計」(2023年6月27日公表)を見ても、2023年3月末時点で2043兆円ある個人金融資産のうち、最も大きいのは現金・預金の1107兆円で54.2%を占めていますが、その次に大きいのが保険の378兆円で、全体の18.5%を占めています。