② 長持ちするけど、受け取り額が減少する定率法 

こちらも定額と同じく、見ただけでイメージしやすい言葉ではないでしょうか。毎年3%を”定率”で受け取っていく、という考え方になります。

例えば年に1回受け取る場合ですと、2,000万円×4%を解約からスタートし、残高が3,000万円になっていれば、3,000×4%=120万円ですし、1000万円になっていれば、1,000万円×4%の40万円になります。
※投資信託の定期売却サービスなどは、注文日がベースになっています。

この方法の注意点は、当初の想定金額がずっと続くわけではないことです。受け取り額が年々少なくなっていきます。 

資産がよほど大きくなければ、取り崩していきますので、資産額は減っていきます。残高が減っているので、受け取る率(%)は一緒でも、額はどんどん減っていきますので、シミュレーションする場合などは注意が必要です。

その代わり、受け取り額が減っていくことで、資産は長持ちしますので安心度は高いと言えます。年下の配偶者がいる、子供や孫になるべく残したい。などといった場合は、良い方法かもしれません。

③ 受け取る期間から決める定口法 

確定拠出年金の人はこの考え方になります。定口法は、定額・定率に比べるとイメージがつきづらい方法です。個別株の場合は、〇株となりますが、投資信託の場合は、〇口となります。この「口数」から来ている名称です。

例えば、基準価額8,000円の投資信託を2000万円分持っていたとします。基準価額とは、10,000口あたりの値段です。2000万円÷8,000円×10,000口ですので、2,500万口になります。

この2,500万口を20年で受け取る場合、2500÷20年=1.25万口になりますので、最初の年は 125万口×8,000円/10,000口=100万円になります。

毎年の受け取り額は、基準価額によって変わりますが、口数は均等に減っていきますので、途中でなくなるという心配はありません。一方で、運用がうまく行ったとしても受け取れる期間が長くなる訳ではありません。

確定拠出年金で、年金受け取りをする場合は、この考え方に近いです。複数の商品があるため、残高を受け取り回数で割って、毎年(毎回)の受け取り額が決まっていきます。

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3つの取り崩し方法を紹介しましたが、いかがでしょうか。どれも一長一短あるので、難しいところですが、資産に余裕があると引き出し額が大きくない限りは資産が枯渇しにくくなります。

若い方は、先を考え過ぎるよりも、まずは今、資産形成に取り組んでいくのが大事です。一方で退職世代の方は、自分が働くのも1つの方法ですが、お金を活用していくのも大事な仕事になります。皆さんそれぞれが自分にあった受け取り方を考えて欲しいと思います。